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SOFFet 7th New Album 『Love Letter Poetry』Release Special Interview

2017.02.24 14:46 UP!!

SOFFet Family
——2015年3月14日から2016年3月14日までは結成20周年イヤーでした。まずは、その一年間の感想から教えてください。

YoYo:決して自分たちだけでは迎えられなかった20周年だとつくづく感じて、いちばん身近で支えてくれるファンのみなさんに対して、さまざまな企画を通して楽しめる時間を届けたいと思ったんです。各地を回る3マンツアー(KEN THE 390、MAY’S、SOFFet)とか「ZEPPIN」という初SOFFet主催イベントとか一泊二日旅行祝賀会とか、その他にも新たな試みと企画ができて20周年イヤーらしい記念になる良い一年になりました。

GooF:節目にしかできないことを、しかも自分たちが企画することで感謝の気持ちを届けようと思った一年だったんです。特に「ZEPPIN」では、Negiccoのような全然ジャンルが違うアーティストと敢えてやってみたりとか、実験的なことも貪欲にやれて意味のある取り組みができたなと思ってます。


——20年間でSOFFetが変わったところを挙げるとすると?

GooF:楽器を弾きながらラップするっていうことにチャレンジしたのが大きな変化だと思います。しかも、ジャズの難しいリズムのビートトラックにYoYoはピアノ、僕はベースを弾きながらラップを乗せるっていう。そこでお互い、ラッパーというスタンスから、楽器を弾いて魅せていくのがSOFFetのステージだというスタンスに変わった。それが大きな分岐点だと思いますね。


——それはいつのことですか?

GooF:「TRIO the ROCK」ツアーだから2005年ですね。最初、練習スタジオでDJとベースとピアノで並んで鏡を見たときに大笑いしましたもん。「何これ?この編成、斬新過ぎる」って(笑)。でも、そこからバンド志向が強くなって、そのあとTokyo Junkastic Band(オフィシャル専属バックバンド)を結成する流れになったわけだから。


——YoYoはどんなところが変わったところだと思いますか?

YoYo:変わったところはGooFの体型ですね。体重(笑)。

GooF:確かに。デビュー当時、これまででMAXの97kgあったから(笑)。

YoYo:マジメに言うと、2人で歌詞書き作業をしていくときに曲の向かう先や着地点が見えやすくなったっていう変化はあります。前作の『THE SWING BEAT STORY』は、独立後初めてのアルバムだったから、それまで以上に2人だけで作りあげた部分があって。その作業のやり取りがさらに慣れて、伝えたいことの焦点を2人で擦り合わせて曲に落とし込むことがかなりスムーズになってきた。それは2人の曲の作り方の進化のひとつですね。


——ずばり、結成からの20年間を漢字ひと文字で表すと?

GooF:「楽」ですね。楽しかったから。ラクってことじゃないですよ(笑)。

YoYo:僕は「印」です。今回のアルバムジャケットの真ん中の「S」は、SOFFetのSであり、StampのSでもあって。ここまで音楽やってきた、20年音楽やってきたぞってスタンプを押した感じがありますね。
——20周年イヤーの締めに、自分たちのデビュー記念日をタイトルにした「3.14」をリリースしました。今作にも収録されていますが、これはどんな気持ちで作った曲なんですか?

GooF:先に進んで行きたいっていう今後への意気込みと、自分たちで繰り返し繰り返し積み上げてきたものも大事にしたいという気持ち、その両方を書いたんです。曲を作ってリリースしてライブをやってという作業を繰り返してると、グルグルと同じところを回っているように思えるけど、それは必ず意味があることだし、自分たちのやってきたことを信じたい。でも、いつかはこのエンドレスなループから抜け出すような成功を掴みたいっていう。

YoYo:だから、サウンド的にも、それまでなかったテイストを入れたものを作ったんです。でも、最初は結成日の曲を作ろうとはまったく考えてなかったんですよ。デモを作ったときに仮歌で「Go Go Go round」って歌っていて、roundってことは円か。じゃあ、まずは人生を円に例えて書いていこうって作業を進めていくうちに、円だったら円周率か、円周率は3.14だ、3/14は自分たちの結成日だって繋がっていって。それに気付いたときは2人で大盛り上がりしましたね。ホント導かれたような制作でしたね。

GooF:じゃあ、せっかくだからということで、2016年3月13日の「ZEPPIN Special」で初披露して、その日の夜中12時、3月14日になった瞬間に配信するということを決めたんです。

SOFFet Family

――「3.14」は2人の絆という愛のカタチを表現した曲だと言えますが、新作『Love Letter Poetry』には、その他にもいろんなカタチのラブソングが収録されています。今回はどんなアルバムをめざしていたんですか?

YoYo:作り始めたときは全体的なコンセプトを考えていなかったんですが、できあがったものを全曲並べてみたときに、いちばん共通してるものが愛だったんです。1曲1曲がさまざまな愛を綴ったラブレターみたいだなと。実際、1曲1曲、歌のモデルにした相手に送る気持ちで書いていたし、相手の顔が浮かんでくるものになっていて。そこから『Love Letter Poetry』というタイトルをつけたんです。


——「Poetry」という単語を使ったところがミソだなと思ったんです。Rapじゃなくて、今回はPoetry=詩歌なんだと。

YoYo:思いを届けるっていう意味でポエトリーっていう言葉がハマるなと思ったんですよね。


――でも実際、今回はラップの割合が少ないですよね?

GooF:それについては制作中、2人でディスカッションしたんです。各曲で、特に俺の色をどう出すべきかって。普通にラップを書いてもいいヴァースだったとしても、敢えてYoYoが書いたメロディーをなぞって歌詞を書いたものもあったし、もうちょっとラップっぽくしたほうがいいのか、どうするって。でも、「とにかく良いものを」という意識でカタチにしていったんですよね。で、最後に並べてみたらやっぱり歌に寄ったものが多くて。そしたらYoYoが、タイトル案を決める最終段階になって「Poetry」をつけたらどうかと提案してきて。「それ、いいじゃん!」って、すごくしっくりきたんですよね。


――あと、アルバム新録曲はミドルテンポやスローテンポが多いですよね。今回、楽曲のカラーやトーンはどんな感じをめざしたんですか?

YoYo:今回はいわゆるジャズ、スウィング感を全面に押し出すサウンドにはなってないんです。1曲1曲、デモを良い方向に活かすアレンジを詰めていった結果、こういうサウンドになっていって。オケも即興演奏とか自由なパートがわりと少なくて、それは歌詞を届けるためっていう意識からなんです。結局、ポップな要素が強い感じに仕上がったんですけど、言葉を伝えるためのポップな音の魅力に気付いてきたところもあると思うんですよね。


――「ポップ」というと原色系のカラフルな感じをイメージする人も多いかもしれないけれど、今回の音はそっちじゃないですよね。原色というより中間色。落ち着きがあって渋い。でも、名うてのミュージシャンによるバンド演奏も収録されてるから、実は贅沢なことをしてるんですよね。

YoYo:そうなんです。「STORY~一生一度の愛の旅路~」とか「MY WAY~未来の何処かで~」とか。


——だけど、贅沢だからといって派手なわけじゃない。

GooF:でも、すごく聴き応えはあるんですよ。耳を持って行かれるサウンドで。


――本当その通りで、今回のアルバムは滋味掬すべき作品だなと。スウィング感あふれる前作が洋菓子なら、今回は和菓子なのかもしれないですね。飾り立てられたバースデーケーキじゃなくて、黒々と光る羊羹みたいな(笑)。職人技が生み出す繊細な甘さがあって、それでいて深みやどっしりした趣もあるっていう。

GooF:あはは。食べ物に例えるとは(笑)。けど、甘い物好きだから全然嬉しいです(笑)。


——リード曲「燕」はどんなキッカケで書いたんですか?

GooF:去年、我が家に子供が生まれまして。子供ができて、普段の生活から価値観から、今まで見えなかったものがすごく見えてきたので、その思いを素直に書いてみたいなって思ったのがキッカケですね。

YoYo:そんなGooFのことや、いつの間にか子供が生まれ家族を持つ同世代の周りの友達も増えてきて。環境の変化を感じながら、誰もが元々は両親から生まれてきた子供なわけだから、自分を育ててくれた親はこんな気持ちだったのかな、という目線もあっていいんじゃないかと思ったんです。

GooF:まさにそうで、曲としては親からの目線と子供からの目線、両方を重ねながら書いてるんです。親に育てられていた自分を振り返りながら、今度は親になった自分が子供の健やかな成長を願ってるっていう。特に大サビのところはそうですね。


——素朴な質問なんですが、たくさん鳥はいる中で、なぜタイトルを「燕」にしたんですか? 

GooF:ひな鳥は口を開けてるだけで、親にエサを運んできてもらわないと死んでしまう。その状況が目の前にいるものすごく小さな我が子と重なったんです。本当にこの子は親がなんとかしてあげないと死んじゃうんだなと思って。で、そういうことをわかりやすく例えたくて、日常で見かける鳥の中では燕だなと。

YoYo:あと、この曲はわりと日本らしいメロディーというか、和な感じをメロディーラインに注入したところがポイントかなと思ってます。SOFFetの中では「Answer」とか「花」とか、そういうラインにある曲だと思ってるんですけど、SOFFetがつくるJ-POPサウンドの王道というイメージはありますね。


——もうひとつのリード曲「MY WAY~未来の何処かで~」はどんなテーマで書いたんですか?

YoYo:これまでの人生、たくさんの出会いと別れがあり、これは別れにスポットを当てて書きました。初めての経験だったんですが、ある日突然ばったり連絡がとれなくなった大切な友人がいて、そんなエピソードを元に書いた曲です。地元の兄貴的な存在の人だったんですけど。


——最初この歌を聴いたとき、別れは別れでも死別をテーマにしてるのかなと思ったんですが。

GooF:そういうニュアンスもありますね。今でも元気でいて欲しいっていう希望を歌っていますから。ここまではっきりとした別れの曲って、実は自分たちにあまりなかった気がして。しかもそれが、ここまで生きてきたからこそ経験する別れでもあったりするし、そういう出来事を通しての思いを形にしました。


——この曲のサウンド面での聴きどころは? 

YoYo:「MY WAY~未来の何処かで~」と「STORY~一生一度の愛の旅路~」は、ドラムに河村“カースケ”智康さんを迎えてのレコーディングセッションで、かなり緊張感がありましたね。特に「MY WAY」はカースケさんの8ビートのグルーヴとサウンドが本当に素晴らしい。「STORY」はかなり複雑なリズムなんですが見事な演奏で。自分はピアノで参加してるんですけど、憧れの大先輩ミュージシャンとセッションできたことはとても嬉しく、刺激になりました。


――「STORY~一生一度の愛の旅路~」は、SOFFetの真骨頂だと思いました。過去に「人生一度」や「鼓動」という、「人生」や「生きる」をテーマにした名曲を生み出していますが、今度は愛をテーマに人生を描いていて。しかもジャズを基調にした組曲構成になっているところもSOFFetらしいなと。


YoYo:これは「STORY」というタイトルの言葉からイメージを膨らませて書いていったんです。成長する愛を描いてるんですけど、ここまで人生を生きてきて、今思う愛が表現できたなっていう達成感があります。


——各ヴァースの最後を「アイ」と発音するさまざまな言葉で結ぶという、ちょっとヒネった歌詞の構成・構造もお見事でした。このアイデアはどっちが出したんですか?

GooF:YoYoですね。まずは愛というテーマでいろいろ考えていくなかで、愛の種類をいろいろ書き出していったんです。

YoYo:で、愛なんてひと言で語れないものなんですけど、それを敢えて一文字で表現するならどうなるか?っていう風に考えていって。それを各ヴァースの最後に入れていれたらどうかと。

GooF:歌詞は、この世に生まれるちょっと前の話から始まって、大人になり恋愛をし傷つくこともあり、っていう流れで書いてるんですけど、その時々で経験する「アイ」が、各ヴァースの最後にワンワードで出てくるっていう構造にしていて。そうすることで聴いてると最後に絶対「アイ」という響きが出てくるから「ん?」と思うだろうし、歌詞カードを読むとそれがどんな「アイ」なのかわかるっていう仕掛けにしてあるんです。ただ、曲の後半にひとつだけ隠し「アイ」も入ってるんです。それがどこか見つけてもらえると嬉しいですね。


——後半の3曲は、2015年に出した『“Retro Romantic” Self Covers I』に収められていた楽曲になりますね。

GooF:そうです。今回新たにリマスタリングして入れました。

YoYo:そのアルバムは20周年イヤーのタイミングで出したんですけど、ライブ会場販売とヴィレッジヴァンガードオンライン限定発売で全国流通してないんで、より幅広い人たちに届けたくて入れたんです。

GooF:で、その中から選ぶとしたら、この3曲はシングルにもなった曲だし、僕たちの代表曲だと思うので、今回改めて聴いてもらいたいなと思ったんです。


——最後に、このアルバムを手にしたリスナーにメッセージを。

YoYo:自分自身と同じように経験を重ね、成長と進化を続けるSOFFetの今の音を収録する事ができました。記念切手デザインの素敵なCDジャケットや、20周年記念ライブDVD付き限定盤・スペシャル盤など、SOFFetを聴いてくれる皆さんと共に作りあげた20年の歴史を形にしたような記念盤になりましたので、細部までじっくりと楽しんでもらえたら嬉しいです。

GooF:今回のアルバム制作中にYoYoとやりとりしていたメールをこないだ見返してみたら、どういう思いをどういう言葉で伝えていこうか、っていうことをお互い明確に相手に伝えてたんですね。お互いの伝えたい思いをしっかり理解した上で、それぞれの言葉で書いてるから、思いがストレートに出てるし、わかりやすい曲が多いと思うんです。なにより、いろんな愛を歌っているので、これを聴いてやさしい気持ちになってもらえたら嬉しいです。

「インタビュー・文/猪又 孝」

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